015 個人情報保護とWinny(ウィニー)


ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を使ったことによる
情報漏洩事件が,かつて相次ぎ社会問題になりました.


最近でも,ファイル交換ソフトの不注意による個人情報の流出例を
報道などで芽にします.


ファイル交換ソフトは,個人情報保護法とどう関わるのでしょうか.
政府が「ウィニーを使わないで」と呼びかけるところまで発展した
いわゆる「ウィニー事件」とは何だったのでしょうか?
「ウィニーとは何か」から探ってみましょう.

納税者情報がウィニーで流出

 税務署から個人情報が「Winny(ウィニー)」を通じて流出する事件が起きました.東京国税局は2007年2月8日,ウィニーを通じて個人や法人の情報が約400件,インターネット上に流出したことを発表しました.国税局からウィニーを通じて納税者情報が流出したのは初め

「Winny(ウィニー)事件」

ファイル共有ソフト「ウィニー」による情報流出が相次ぎ,安倍官房長官(当時=現首相)が「最も確実な対策はパソコンでウィニーを使わないこと」と呼びかけるなど,社会問題になっています. 以前もウィニーが問題になり,作者が逮捕されるという事態に発展しましたが,こ

ファイル交換ソフトとは

インターネットを通じてパソコンユーザー同士がファイルの交換をすることができるようにするソフトウェアを,ファイル交換ソフトと呼びます.不特定多数の個人間で直接情報のやり取りを行なうインターネットの利用形態をP2P(Pier to Pier :ピア・ツー・ピア

ウィニーは「情報漏洩ソフト」か?

ウィニー自体はファイル交換ソフトで,情報漏洩のために作られたものではありません.情報漏洩が起きたのは,ウィニーの持つ機能を悪用するためのコンピュータウィルスが作られたためです. ウィニーをインストールしたパソコンにファイルを公開すると,他の人はウィニーが

個人情報保護法とウィニー

ウィニーによる情報漏洩事件は,実は2003年ごろから発生していました. ウィニーの作者である金子勇氏が配布を開始したのは2002年5月です.その後,ウィニーを利用して勝手にファイルをばらまいてしまうコンピューターウイルスが出現しました.2003年8月に発見さ

ウィニー事件の背景:セキュリティ意識

一連のウィニー事件でよく聞かれたのが「私有のパソコンを通じて」という事実です.つまり,会社で残業するかわりに家にファイル情報をEメールで転送し,ウィニーをインストールした自宅のパソコンで会社の仕事をしたために,企業の持つ顧客データなどがウィニーを通じて流出して

個人情報はどのように漏洩するか?(調査結果)

NPO日本ネットワークセキュリティ協会の調査によれば, 情報漏洩の約70%は盗難と紛失・置忘れが原因で発生しています. 具体的な事例は「ノートPC や機密書類の入った鞄を盗まれるあるいは紛失する」 というもので,「車上荒らし,電車の網棚への置き忘れ,

ウィニー以外のファイル交換ソフト

ファイル交換ソフトは,どれもウィニーと同じ危険を持っています. ネット上で音楽ファイルなどを交換するファイル交換ソフトとしては,1999年にアメリカで「ナップスター」が登場し,音楽ファイルを無料で入手できるために大学生を中心に爆発的ひっととなりました. 日

ウィニーによる個人情報流出事例:学校(1)

群馬県の小学校で,ハードディスクから児童や教職員など422分の個人情報がウィニーを通じてインターネット上に流出する事件がありました.(次の2パラグラフはasahi.com記事より編集.)  群馬県沼田市教育委員会によると,流出したのは児童242人分と,教職員

ウィニーによる個人情報流出事例:学校(2) 業務委託

大学入試の受験生の個人情報がウィニーを介して外部に漏れる事件がありました. (以下2パラグラフはYOMIURI ONLINEより)  北海道武蔵女子短期大学(札幌市)の2004年度入試の受験生約1000人の個人情報が外部に漏れていました.  入試情報システム