002 個人情報保護法


個人情報保護法が定めているのは,

 その適用を受ける個人情報取扱事業者が守らなければならない

一連の事項です.ここでは,

 どのような業者が個人情報取扱事業者であり,
 個人情報保護法によって何を求められているのか

を具体的な事例でわかりやすく解説しました.

住民基本台帳の閲覧

住民基本台帳は各自治体が定める条件を満たせば原則として誰でも閲覧することができます.しかし,総務庁の調査によると,閲覧時に届け出る目的の6割がダイレクトメール(DM)など営利目的だということがわかっています. 住民基本台帳には「大量閲覧制度」があります.

利用目的の特定

個人情報取扱事業者は,個人情報の利用目的をできる限り特定し,その利用目的達成に必要な範囲でのみ,個人情報を取り扱うことが法律で求められています. できる限りというのはあいまいな表現ですが,例えば 「ご購入いただいた製品のアフターサービス,及び今後の新商品や

利用目的の通知・公表

個人情報取扱事業者は,個人情報の利用目的を特定したら,それを予め公表するか,事後に速やかに本人に通知・公表しなければなりません. 通知は,手紙,電子メール,電話,直接対面といった方法で行なうことができます. 公表には,インターネットのウェブサイト上に掲示し

個人データの正確性の確保

個人情報取扱事業者が個人データを取り扱う際には,利用目的を達成する範囲で正確かつ最新の内容を保つように努めなければなりません. 誤った個人データが原因で個人が不利益を被った場合,個人情報取扱事業者に対して損害賠償請求が起きる可能性もあります.そこまで行かな

第三者への提供の制限

個人データを第三者に提供するには,あらかじめ本人の同意を得る必要があります.自分の知らないところで個人データが第三者の手に渡った結果,不要なダイレクトメールが送られてきたり,データを購入した名簿業者に利用されたりして,本人に迷惑が及ぶことを避けるための規定で

個人情報の売買

個人情報を名簿として売買する,いわゆる名簿業者がいます.こうした業者の活動は,本人が「第三者に提供する」ことを同意していれば違法ではありません. ただし,その名簿業者が本人の同意をとっているか,私たちには簡単に確認できませんし,実際に「ヤミ名簿業者」と言わ

保有個人データの開示・訂正など

個人情報取扱い事業者は,保有個人データについて以下のことを本人が知り得るようにしておかなければなりません.  1.個人情報取扱事業者の名称  2.全ての保有個人データの利用目的  3.本人から求められた場合に開示・訂正・利用停止に応じる手続き  4.苦情の申

個人情報保護法違反に対する罰則

個人情報保護法に対する違反があった場合,業種ごとの「主務大臣」による行政処分が下されることがあります.行政処分の種類には,違反の内容によって「報告の徴収」から「助言」「勧告」「命令」「緊急命令」まで,順番に重くなります. また,処分に従わなかった場合には罰

防犯カメラで撮影した映像など

個人が特定できる映像は個人情報保護法の対象とする個人情報に当たります.したがって防犯カメラで撮影する場合には,利用目的を通知・公表しなければなりません.商店の入り口に「防犯カメラが作動しています」などと書いたプレートが貼ってあったりするのは,犯罪を防ぐための

個人情報の利用目的通知は義務?

例えば業務用の名刺は個人情報ですが,取引相手から名刺を受け取る時に,いちいちその利用目的を断る必要があるのでしょうか.また,ラーメンの出前を注文した時に,「それではまずお名前とお電話番号をいただきます」と店の人が尋ねる時,お客が「何のために聞くのか」と言ったら