税務署から個人情報が「Winny(ウィニー)」を通じて流出する事件が起きました.東京国税局は2007年2月8日,ウィニーを通じて個人や法人の情報が約400件,インターネット上に流出したことを発表しました.国税局からウィニーを通じて納税者情報が流出したのは初めてです.

 原因はまたしても,職員(国税局徴収部)が個人パソコンを業務に使用し,そのパソコンがウィルスに感染したことです.今回は納税者の住所・氏名,さらに財産の状況がわかる資料も流出しました.

 国税局には,職務上の資料を無断で持ち出すことを禁じる規定があります.今回の職員の行為は当然これに違反するものですが,外部のパソコンに用意にデータを移せる体制であること自体,より大きな問題です.

 民間企業でも最近は,外部記憶媒体へのデータ移動を制限したり,ネットワークにつながっていないパソコンとのデータのやりとりをできなくするシステムが導入されています.悪用されやすい個人情報を保有する国税庁としては,速やかな対応が望まれます.