警察ほど,流出の影響が深刻な個人情報を大量に保有しているところはないかもしれません.しかしインターネットを利用するパソコンにウィルス対策がされていないという,信じられないケースもあります.(以下3パラグラフは毎日新聞の記事より

警察

 愛媛県警の警部の私有パソコンから大量の個人情報を含む捜査資料がインターネット上に流出する事件がありましたが,流出元になった警部のパソコンにはウイルス対策ソフトがインストールされていませんでした.

 警部のパソコンは自宅のデスクトップ型のもので,捜査資料などを持ち帰り,自宅で作業していました.県警は職員の1400台の私有のパソコンに所属長の承認を条件に捜査資料作成などの公用に使うことを認めていますが,このパソコンは未承認で,県警の内規違反の可能性もある事件です.

 公用にパソコンを使う場合,ウイルス対策ソフトを自己負担で購入、インストールしたうえで、「(頻繁に)最新版に更新するように」という指示をしていただけで,ソフトの種類や更新の頻度などは事実上,職員任せ.あわてて全職員を対象に公用・私用の全パソコンについてウィニーがインストールされていないかのチェックを始めたとのことです.

これはかなり問題の多い状況です.ウィルス対策ソフトなしというのは,ウィニー以前の問題です.また,警察という特殊な仕事では勤務場所をいわゆる「職場」に限ることが難しいとは言え,私有パソコンを公用に利用することにあまりに無神経だったのではないかと思うほど,許可されたパソコンの数が膨大です.

さらに,ウィルスソフトは自費購入で何から何まで職員任せの上,事件後の「ウィニーがインストールされていないか」チェックするという対応も,事件の本質を理解していない場当たり的な対応のように思えます.